ポリスラインを翔びこえて
でも、もしかしたら鬼畜なんかじゃなくて、僅かな可能性を賭けたセイ兄なりの情けだったのかもしれない。
そんな彼らを横目にパパも頭を抱えていたものの、ふう、とため息をひとつ落として顔を上げる。
「真は大事な娘なんだ」
じっと炎くんを見て続ける。
「俺は警察官である前に、真の父親だ」
「……」
「家族である以上、命ある限り守り抜くと決めておる。そしてそれは本当の父親である真信との約束でもある」
「……」
「お前は真を守るために命を投げ出すような危険な男だ。そんなやつに娘を託すことなど不安でしかない」
「……」
炎真信と炎くんと、自分を重ねているように。
私を守るためにパパは炎真信を殺した。
私を守るために炎真信は死んだ。
私を守るために炎くんは、死のうとした。
「だがお前は、自分が傷つくことも、捕まることも、死ぬことさえも恐れずに、真を守って、そして今ここで生きている」
「……」