ポリスラインを翔びこえて
「怪我してるの?大丈夫?」
足を止める赤。ゆっくり振り返る赤。
前髪から覗く双眸も、赤。
人間らしかぬ容貌に思わず息を呑んだ。
けれどその少年は小さく首を傾げて不思議そうに私を見たあと、自らの服に目をやって私の質問を理解したように頷く。
涼しい顔でどこも痛がる様子のない少年は、どうやら怪我はしていないみたいだ。
「それは血…だよね?何か事件でも巻き込まれたの?」
「……」
「答えたくないならいいけど。でもちょっとその格好じゃ目立つし衛生的にもよくないから、近くのコンビニで着替え買って来るよ。ここで待ってられる?」
「……」
「…じゃあ、嫌なら待ってなくていいけど、私は必ず戻ってくるから」
うんともすんとも言わない少年を残しコンビニまで走って適当なシャツを買い、できる限り急いで戻ると。
「よかった……ちゃんと待っていてくれたんだね、ありがとう」