ポリスラインを翔びこえて
Episode Ⅱ
*
出勤すると課内はなにやら慌ただしい風が吹いている。
「おはよー蒼羽ぁ、わりぃ、今日の張り込みは中止なー」
「え?何かあったんですか」
パソコンから顔を上げると、課長席から戻ってきた字巡査長は怠そうにデスクの椅子へ座った。
「烏轟組をマークしている関係者から情報が入った。今夜、繁華街で何か仕掛けるらしいってなー」
「な、何かって…?」
「さあな。昨日から立て続けに複数の組員が集まっているらしい。蒼羽ぁ、ここ最近のやつらの動きわかるかー?」
「烏轟組は確かここ数週間で動きが活発だったはずですが……あ、ありました、調査資料によると2週間前から組員の出入りが多くなってますね」
「どれどれ。あーなるほどなー」
「それと、先週から系列店にも人が集まって……ああそういえば、先月も一丁目通りでトラブルありましたよね?あそこ縄張り抗争が激しい場所だと以前、字巡査長おっしゃってましたよね」