ポリスラインを翔びこえて
「ほー、さすが蒼羽ぁ。どんどんマル暴センス磨かれてんなー」
「おかげさまで」
「よし」
資料から目を離してデスクに戻った字巡査長は、腕を組んで少し考えたあと口を開く。
「タレコミでは北通りだという情報だが、念のため一丁目もマークしよう。まあ近隣だからどっちにせよ所轄内だがなー」
「関係部署に連絡します。あと警備の応援も一応入れるよう伝えておきますか?」
「ああ、お願いなー。ちなみに今日は蒼羽も行くぞ、現場」
「え!」
その一言で背筋が伸びた。
「そういや初めてかー」
「はい!」
「なんだぁ、嬉しそうじゃんか。遊びじゃねーんだぞ、わかってるかー?」
「当然です。ただ、ようやく現場に出られる日が来たなと思って。女は念のためとか言って回されなかったじゃないですか」
「ああー…、それ女だからってわけじゃねぇよ」
「え?それどういうことですか」
字巡査長はチラ、と横目で私を見ると、スーーと椅子ごと横にスライドして近寄る。