ポリスラインを翔びこえて
日が暮れた。
冬に近づくにつれ日照時間は短くなるから、夜の街にとっては都合がいい季節かもしれない。
そうだ、忘れないうちに家族へ連絡を入れておこう。
「あ、セイ兄、私だけど、今日現場入りになったから帰り遅くなるよ。……うん、そうそう!初めて!えへへ。え、パパが?うーん……」
きょろきょろ課内を見渡すと、ちょうどいいところで字巡査長がデスクに戻ってきた。
「字巡査長、証人お願いします」
「はぁ?」
ビデオ通話に切り替えて字巡査長の前に差し出す。
眉をひそめて覗き込むと、ビシ!と背筋を伸ばして目を丸くして。
「蒼羽刑事局長!お疲れ様です!」
「あー、息子の方です」
セイ兄はパパの顔によく似てるから、画質の粗いビデオ通話だと間違えてしまうのも仕方ない。
「ん?……ああ、よく見ると若いな。で証人って?」
『今日まこちゃんは現場入りデビューなんですか?』
「ああ、そうだが……何か問題でもあるのか?上の許可は下りたんだが」