ポリスラインを翔びこえて
『いえ、そういうことなら大丈夫です。証言ありがとうございます。ではお疲れ様です』
「お、おう、お疲れ様っすー……」
家庭事情を知らない人にはさっぱりなやり取りだけれど、昨日の今日だから言質を取っておきたかったわけで。
信頼できるセイ兄からの言葉ならパパも納得してくれそう。
というか言質を取らずともパパが許可したって言ったでしょうに。
『親父にも僕から伝えとくね。じゃあそろそろ切るよ。くれぐれも気をつけるんだよ、まこちゃん』
「うん、ありがとうセイ兄。じゃあまた」
電話を切ってポッケにしまうと隣から視線を感じて。
「ま、“まこちゃん”……くくっ」
「何ですか。バカにしてます?」
「いいや?仲の良いご家族だなーとねぇ」
「…どうも」
「んじゃそろそろ行きますかー」
字巡査長は上着を羽織り車のキーを投げる。
キャッチして私もその後を追い廊下に出た。