ポリスラインを翔びこえて

その声を聞きながら男たちの方を見る。

すると、その中の一人が何かを見つけて動きが止まった。
他の男たちも気づいて固まる。


「……?」


彼らの奥から、一人の男が現れる。

息を呑む。
思考が止まる。
心臓がバクバク激しく脈打つ。


私は彼を、知っている。


「……なん、で……」


そこにいたのは、赤。



「赫龍組かー」


はっとする。
字巡査長は通話を終えて隣で立っている。


「かくりゅう、組?」

「おう、どうやら赫龍組の若頭が現れて一時的に抗争が止まったらしい」

「か、かしらって……」

「ああ、あいつだよ。今は赤髪だけど地毛は白髪らしい。ほんで赤い目、白い肌。人間離れした圧倒的な戦闘力と冷徹さを兼ね持ち、素手で絞め殺すことで有名な男だから、“扼殺(やくさつ)の白蛇”って名で畏れられているそうなー」


赫龍組の若頭(ナンバー2)
赤い目、白い肌。
圧倒的な戦闘力。
冷酷で残虐。
扼殺の、白蛇……。


つまり炎くんは、

──ホムラマコトは、(ヤクザ)、ってこと?


< 48 / 260 >

この作品をシェア

pagetop