ポリスラインを翔びこえて
その声を聞きながら男たちの方を見る。
すると、その中の一人が何かを見つけて動きが止まった。
他の男たちも気づいて固まる。
「……?」
彼らの奥から、一人の男が現れる。
息を呑む。
思考が止まる。
心臓がバクバク激しく脈打つ。
私は彼を、知っている。
「……なん、で……」
そこにいたのは、赤。
「赫龍組かー」
はっとする。
字巡査長は通話を終えて隣で立っている。
「かくりゅう、組?」
「おう、どうやら赫龍組の若頭が現れて一時的に抗争が止まったらしい」
「か、かしらって……」
「ああ、あいつだよ。今は赤髪だけど地毛は白髪らしい。ほんで赤い目、白い肌。人間離れした圧倒的な戦闘力と冷徹さを兼ね持ち、素手で絞め殺すことで有名な男だから、“扼殺の白蛇”って名で畏れられているそうなー」
赫龍組の若頭。
赤い目、白い肌。
圧倒的な戦闘力。
冷酷で残虐。
扼殺の、白蛇……。
つまり炎くんは、
──ホムラマコトは、悪、ってこと?