ポリスラインを翔びこえて
頭を殴られた衝動に駆られ。
ぐわんと視界が回って。
脚の力が抜けそうになるのを、歯を食いしばってぐっと耐える。
「戻るぞ蒼羽ぁ」
気怠い声で目が醒める。
「戻るって、どうしてですか?」
「ここは一旦大丈夫だ、警備の応援もあるしアイツがいればそのうち収まるからなー。それよりやつら…赫龍組の情報、調べ直すぞー」
「……わかりました。行きましょう」
頷くと字巡査長は踵を返し歩き始める。
それに続いて私も歩き出す寸前……──ホムラマコトがこちらを捉えた。
「っ、」
にやり。
不敵な笑みは明らかに私へ向けられて、
ゾクリと背筋が凍る。
「アオちゃん、また会えたね」
こんなに距離が遠くて、騒がしい中で、
絶対聴こえないはずなのに。
ホムラマコトは、たしかに、そう言った。