ポリスラインを翔びこえて
「おう、今回は赫龍組と烏轟組が動き出したそうなー。トップワンツーの争い、こりゃあ大変なことになりそうだぜ蒼羽ぁ」
「トップワン、ツーの争い……」
「そういや数年前にもあったんだっけなー、赫龍と烏轟の陣は。情報上げられるかー?蒼羽ぁ」
「すぐに調べます」
資料を捲ったりキーボードを叩いたり画面を追ったり。
印刷機から戻ってきてまとめた書類を字巡査長へ上げる頃には、とっくに日が落ちていた。
いつも通りセイ兄に連絡し、字巡査長に証言させ、車に乗って二丁目通りへ向かう。
到着して早々、目に入った光景に字巡査長も私も立ち尽くす。
「……なんて、こと……」
炎々と舞い上がる朱い火は、現場の壮絶さを物語っていた。
道中で連絡のあった内容よりも遥かに悲惨な状況だ。
煙の匂いが鼻腔を刺激する。
次第に喉まで痛くなってくる。
「お前は一旦車に戻れ、蒼羽ぁ」
「どうしてですか、私も行きます!」
「今日は危険だ。いいから戻れ」