ポリスラインを翔びこえて
「最初から危険は承知でここにいます。私がいると邪魔ですか」
「邪魔だ。俺の勘がそう言っている」
「っ、勘って……」
「戻れ、蒼羽」
いつもの気怠い語尾じゃない、力強い言葉。
字巡査長はそこら辺のチンピラより怖い顔で睨みつけ、私はこれ以上先へ進んではいけないと観念した。
車に戻って運転席から様子をうかがう。
人混みの中心には恐らく赫龍組と烏轟組が対峙しているのだろう。
ふとバックミラーに目をやると。
「ん!?」
思わず二度見した。
素早くドアを開けて車から飛び出す。
「ちょっと待って!」
前に立ちはだかると、ピタリと歩みを止める。
「……、」
「ホムラ、マコト」
「……」
「どこへ行くの」
「……」
「あれ、あなたがやったの?」
「……」
「……また怪我してる、炎くん」
「してないよ、アオちゃん」
「蒼羽よ。じゃあその血は何」
「……、」
「答えて、炎くん」