ポリスラインを翔びこえて
「あーもういいや。ほら行くぞ、立てるかー?」
「お構いなく」
サッと立ち上がる。
少し背中が痛むがせいぜい打撲程度だろう。
ホムラマコトの腕がクッションになっていたような気がする。
咄嗟にあんな機敏な動きができるなんて、噂どおり本当に圧倒的な戦闘力を持っているんだ。
……て、感心している場合じゃない。
「字巡査長、先ほどホムラマコトを目撃しました」
「ああ?どこにいた」
「ここです。話そうとしたら銃声が鳴って、それで……」
「それで?」
庇われました、とは言えなかった。
接触したことがバレたら、なんだか面倒なことになる予感がしたから。
「逃げられました。一丁目方面です」
「……そうか」
呟くように返事をした字巡査長は身を翻し車の方へ早足に歩く。
追いかけて運転席に乗り込み、キーを回してエンジンをかけた。
「蒼羽ぁ、あいつは逃げたんじゃねぇ」
「え?」
「銃声のあとこっち側に来てひと暴れした」
「ひと暴れ…?」