ポリスラインを翔びこえて

「みつけた」


再びこちらを向いた彼の口角がわずかに上がる。
真紅の髪が夜風に靡く。


「……、」

「きみもマコトなんだね」


そう言って美しい少年は、私の頬に冷たい手を添えて白い歯を覗かせて笑う。


きみ“も”マコト?


その言葉を理解するのに時間がかかって、それは先ほど彼がホムラと名乗ったせいで。


「ホムラ、マコト?」


フルネームで呼ぶと、彼は目を細めてうれしそうに頷いた。

どうしてそんな顔をするのかわからなかった。
私は彼を知らない。
けれど彼は、私を“みつけた”らしい。



「行くぞマコト」


私ではない“マコト”を呼んだ金髪の男は、身を翻し裏路地を出る。

ホムラ マコトは私から視線を外してその後を追う。


待って、と口にすればその背中は止まる。
赤い髪が揺れ、赤い瞳がこちらを捉える。

鞄に繋いでいる警察手帳を呈示しながら駆け寄ると、その目は一瞬見開かれる。


「もう少しお話、いいですか」

「……」

「あなた未成年?年齢確認できるもの持ってる?」

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