ポリスラインを翔びこえて
「お礼を言いに来たの。あのとき銃弾から守ってくれてありがとう」
「……それだけ?」
「ええ、ちゃんと伝えたかったから」
それだけのためにわざわざ変装して、リスクを犯してまでここに来たわけ?
本当にお馬鹿だね、アオちゃんって。
そんなことされたらもう、理性も歯止めも効かないよ。
「ふうん。ところでこのリップやっぱり似合わない」
「んっ…!や、やめてよっ、どうでもいいわそんなこと」
ふっくらした唇をこすって赤を落とせば、恥ずかしそうに顔を背けて頬も紅く染まる。
だからそんな反応ずるいってば。
下手な変装以外の部分も全部剥がしてやろうか。
「ふふ、止まらなくなっちゃうからおしまい」
「せっかく変装したのにっ」
「下手だよ」
「う、うるさいなあっ」
「ところでアオちゃん、写真のおとうさんの行方については警察が絡んでいるかもしれないよ」
「……え?」
「それとこっち側の人間と関わりがあったのは事実みたい」
「っ……!」
「今わかっているのはそれだけ」
「そう、なんだ……」