ポリスラインを翔びこえて
オヤジはこの写真を見て、ほんの一瞬、瞳が揺らいだが決して口を開かなかった。
留守の隙を見計らって部屋を探ってみたが収穫は無し。
だがとある店のバーテンダーがこの男を知っていて、といっても友人の男と一緒にいるのを見た、知っているのはそれだけ、と。
その友人は警察の内通者だったりするわけで、後に処分されたとか敵組織についたとか曖昧なうわさがひとり歩きしていた。
それ以上のことは誰も口を割らなかったから、もう少し裏取りが必要だ。
そこまで話すと、アオちゃんは何か思いついたように顔を上げた。
「もしかしたら……資料が残っているかも。警察が送り込んだスパイなら、その関係者が資料を作っているはず」
「20年前でも?」
「ええ、15年以上古いものは書庫にあるって巡査長が言ってたから……でも盗み見るのはそう簡単にいかないわ」
「じゃあ適当にタレコミ流すよ」
「タレコミ?」