ポリスラインを翔びこえて
絶対に言わないぞと黙りこくっていると、セイ兄は深いため息をついた。


「本当はまこちゃんの口から聞きたかったんだけど」

「いくらセイ兄でも言わないよ?」

「……見慣れない服、かなり良いブランドだね」


クローゼットの前に吊るしている炎くんから借りた服をじっと見つめる、セイ兄。


「知ってるの?」

「この会社は有名だよ。裏では暴力団が資金を回してるフロント企業って」

「っ……!」


迂闊だった。借りたものは早めに返さなきゃいけないのはこういうことになるからだ。

そしてその情報は完全に私の勉強不足。しくじった。


「ねえ、まこちゃん」

「……な、なに?」


怖くてセイ兄の顔を見ることができない。

きっと警察官の顔になっていて、今なら取り調べを受けている被疑者の気持ちがわかる。

そうだ、よく考えてみればわかることだ。
セイ兄はエリート警察官、その洞察力も推理力も並じゃない。

私が黙っていたところで、セイ兄が見抜けないはずがない。

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