ポリスラインを翔びこえて
この家に育って、宿命のごとく警察官になって、国を、街を、人々を守る正義のヒーローになる。
そういう運命だから。
暴力団の人間を好きになるのはおかしいこと。
あってはならない、ただの過ちだったんだ。
「もう会わない」
「……まこちゃん、」
「忘れる。考えない。全部全部記憶から抹消する!こんな気持ち初めから無かったことにする!」
ちゃんと話せば、何かが変わるかもしれないと思った。
けれどそう簡単に、世界は変わらない。
世界が変わらないなら。最初から自由を失っているなら。
それならもう、私が変わるしか、ない。
「……だったら仕事は、部署異動したほうがいいんじゃないかな」
「え……?」
セイ兄が私とパパを交互に見て言った。
「まこちゃんを一番近くでみてきた身として言わせてもらうけれど、今の仕事のままじゃ過去の恋愛を引きずるにはちょうどいいし、まこちゃんの真面目な性格からも仕事を一生懸命にやればやるほど苦しくなるんじゃない?」
「……、」