ポリスラインを翔びこえて
「だから暴力団に関わる仕事からも一旦離れたほうがいいかと」
うーん、と唸るパパ。
それもそうね、と頷くママ。
でも私は、頷けなかった。
そこまでされるともう、恋愛どころか私という存在の全部を否定されているような気がした。
「……いやだ、仕事はそのままがいい」
「え…でも、」
「せっかく引き抜いてもらって、字巡査長にも認めてもらえて、やっと現場にも行けて、ここまで頑張ってきたのに!また一からやり直すなんて、そんな仕打ちひどいよ……」
「なにも一からやり直すなんてことはないよ、まこちゃん。新しいところでその努力を活かせばいいじゃないか」
「違うよ!そういうことじゃなくて!」
「どういうこと?」
「否定するのは恋愛だけでいいじゃん!仕事に関わらず、恋愛以外の部分も否定されるほうがもっと苦しいよっ」
「しかし……」
ちら、とパパを見て判断を仰ぐセイ兄。
私もパパをじっと見つめて、ぎゅっと手のひらを強く握った。