ポリスラインを翔びこえて
「誠、お前は真のことをよく見てきてはいるが、お前の警察生命と真のそれは別物だ。ノンキャリアでマル暴にいることは今後のキャリアアップにおいてこの上ない好機だぞ」
セイ兄はキャリア組で幹部候補として採用されたから、出世コースが確定している。警察生命は安泰だ。
でも私は。
もしこの好機を手放してしまったら、出世はおろか短期異動の悪印象でキャリアに傷がつくことになる。
「真。お前にとって今の仕事は大事なんだよな?」
「うん、絶対に辞めたくない。異動したくない。ここで頑張って、結果をあげて、もっと上のキャリアを目指したい」
「こんなに誇りに思っているんだ、仕事まで奪ってしまったら真の生きがいはどうなる」
セイ兄はハッとして少し表情が固まったが、すぐに私に向き直して言う。
「……確かに父さんの言うとおりだね、仕事という生きがいの一つまでも取り上げる必要はないや。まこちゃんごめん、こんなこと言って」