ポリスラインを翔びこえて
*
「あれ?」
家に帰って自分の部屋に戻ると、いつもしまっている鞄のポケットに写真が入っていなかった。
あーあ、もしかしたら繁華街に落としたかも。
とりあえず今日はもう遅いからお風呂に入って早めに寝なければ。
明日の退勤後に余力があれば探しに行こう。
そう考えて着替えを持ち部屋を出ると、廊下でセイ兄と鉢合わせ。
「今から風呂?僕もちょうど入ろうとしてたとこだったや」
「えー、ごめんねセイ兄、おっさきー♪」
「仕方ないな、レディーファーストね。いってらっしゃい」
「えへへっ、ありがと。私をレディ扱いしてくれるのセイ兄くらいだよ」
セイ兄──蒼羽 誠。5つ上のお養兄ちゃん。血は繋がっていなくても、いつも優しくてあたたかいひと。
今日も相変わらず容姿端麗で羨ましい。
いわゆる爽やかイケメンとはこのことで、その美貌を少しくらい分けてほしい。