意地悪なボイスアクターの危険な執着愛から逃れたい
スタジオは25階にあった。

エレベーターで上がる時は心臓が嫌な音を立てる。


「お願いします。誰にも会いませんように」


前にエレベーターで芽衣と蒼に鉢合わせしたことがあった。

聞こえなかったが明らかにコソコソ話され、私は居た堪れなくなった。

「早く!」と長い道のりを足踏みした。

幸い誰も乗ってくることはなく、いつもより早めに到着できた。

私はエレベーターが開くと小走りで指定されたスタジオがある端まで向かった。

途中、人がスマホを見ながら廊下に出てきて危うくぶつかりそうになったが、ギリギリで、さっとかわす。


「すみません!」


謝罪をしたが相手が顔を上げなかったので、気がついてないのだろうと私はそのまま通り過ぎた。
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