意地悪なボイスアクターの危険な執着愛から逃れたい
休憩時間に私と桃美さんはテレビ局の公式で発表されている『愛君』の詳細情報をくまなく読んだ。

ちなみに今日もランチが一緒である。

自分の恥をすべてさらけ出したことで一気に桃美さんとの距離が縮んだ。


「放送に合わせてキャラクターたちが副音声で話すらしいですね」

「その収録は25階のスタジオで録るらしいわよ」

「え!? どこ情報ですか、それ!」

「私の同期が担当するんですって」

「おお!!」


思わず野太い声が自分から出てビックリした。


「てか桃美さんがそれを聞いてくれていたのが嬉しすぎるんですけど!」


桃美さんが、どや顔を向けた。


「紗枝ちゃん、情報はコレだけじゃないわよ」

「なんですか?」


既に前のめりだった身体をさらに前に向けた。


「コレはオフレコなんだけど」


桃美さんの声が小さくなる。


「明日、キャストたちが集まって打ち合わせするんですって」

「え~!?」


私は声を潜めて叫んだ。


「紗枝ちゃん! 再会するチャンスよ」

「時間とかわかってるんですか?」

「時間は16時から。終わりはわからないって」

「うーん、ライブラリーも忙しくなる時間ですね」

「そんなの私がなんとかするわ」

「桃美さん……」


再び泣きそうになる。


「行ってきなさい。30分なら何とかするわ」

「でもファンですって言って嫌われたら……顔出しをNGにしているくらいだし知られたくないかも」

「想像してる人であってるって言われたんでしょ? 自分からバラしてるんだから大丈夫よ」

「そうですかね」


再び会えるところを想像するだけで顔が熱くなった。
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