意地悪なボイスアクターの危険な執着愛から逃れたい
そして翌日。

打ち合わせの日時を16時30分からと桃美さんが同期に聞いて教えてくれた。

私は15分前に25階のスタジオにいた。

これは職権乱用というやつではないだろうか、と急に怖気づいてしまう。


(やっぱりよくない!)


そう思って引き返そうと思った時、人と激しくぶつかって倒れてしまった。


「す、すみません!」

「ごめん、大丈夫」


声を聴いた瞬間、その持ち主が誰かすぐにわかり、顔をあげることが出来なかった。


「あれ? 君」


その人はしゃがみこみ、私の顔を覗き込んだ。

近くではっきりと顔が見えて私は息を飲んだ。

品格のある綺麗な顔。

エレベーターで見た時からイケメンだとは思っていたが、あの時はそんなによく見ていなかった。

まさか、ここまで整った顔をしていたとは思わず固まる。


(彼が……リーガル様……?)


見つめ続けていると何かが頭に引っかかった。

脳が何かを思い出そうとしている。


(私、この人に会ったことある気がする)
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