意地悪なボイスアクターの危険な執着愛から逃れたい
初デート
1章
キーホルダーを鞄にしまい、私は桃美さんと一緒にライブラリー室へ戻った。
午後の仕事は、いつもより少しだけ気分よく進んだ。
新しいキーホルダーが、鞄の中で密かに存在を主張しているような気がして、時々、手を伸ばして確かめてしまう。
そんな自分に苦笑いしながら、ファイルの整理を続けていると、内線電話が鳴った。
「はい、ライブラリー室です。はい、はい……資料ですね。わかりました、すぐ持って行きます」
私は必要なデータをUSBに入れると急いで部屋を出た。
エレベーターに乗る時、少しだけ、あの人のことを思い出して身構えたけれど、誰も乗ってこなかった。
(よかった)
そう安堵しながら、25階に着き、小走りにスタジオへ向かう。
ディレクターにUSBを渡し、簡単なやり取りを終えると、私はほっと息をついた。
(このまま、何も起きずに帰れそう)
そう思いながら、エレベーターホールへ向かって歩き出した、その時だった。
「あれ、また会ったね」
背後から聞こえた声に、心臓が跳ねた。
振り返らなくても、誰かわかる。
わかりたくなかった。
「……」
「無視?」
午後の仕事は、いつもより少しだけ気分よく進んだ。
新しいキーホルダーが、鞄の中で密かに存在を主張しているような気がして、時々、手を伸ばして確かめてしまう。
そんな自分に苦笑いしながら、ファイルの整理を続けていると、内線電話が鳴った。
「はい、ライブラリー室です。はい、はい……資料ですね。わかりました、すぐ持って行きます」
私は必要なデータをUSBに入れると急いで部屋を出た。
エレベーターに乗る時、少しだけ、あの人のことを思い出して身構えたけれど、誰も乗ってこなかった。
(よかった)
そう安堵しながら、25階に着き、小走りにスタジオへ向かう。
ディレクターにUSBを渡し、簡単なやり取りを終えると、私はほっと息をついた。
(このまま、何も起きずに帰れそう)
そう思いながら、エレベーターホールへ向かって歩き出した、その時だった。
「あれ、また会ったね」
背後から聞こえた声に、心臓が跳ねた。
振り返らなくても、誰かわかる。
わかりたくなかった。
「……」
「無視?」