意地悪なボイスアクターの危険な執着愛から逃れたい

2章

夜、仕事が終わって、私は駐車場に来てしまった。

無視して帰ろうかと思ったが、ストーカーではないという誤解を解きたかった。

もし私がストーカーだとテレビ局内で広められたら、今度こそ終わってしまう。

あの日の記憶が蘇って、ため息をついた。

私がまだこの会社にとどまっているのには、理由がある。

この4年間、私は仕事で桃美さんという素敵な人に出会い、麗依という昔からの友人の存在の大きさを改めて感じたのだ。

部長だって、他のスタッフだって、話すことは桃美さんよりは少ないけれど、みんないい人だ。

そんなことに、ここ数日、気がついた。

もう私の中で、4年前の出来事は教訓になりつつある。

実は、4年前のあの事件のあとすぐに、及川さんの婚約者とは、きちんと2人で会って話し合った。

慰謝料のことも含めて話さないといけないと思って、自分から連絡を取ったのだ。


「慰謝料?」

「はい。知らなかったとはいえ、婚約者様を傷つけたのは事実なので」

「そんなもの、いらないわよ」

「え?」

「その代わり、会社であなたを辱めたことは、謝らないから」
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