意地悪なボイスアクターの危険な執着愛から逃れたい

4章

翌朝。

私は、いつもより少し早く目が覚めた。

目を開けた瞬間、昨日のことを思い出してしまい、布団の中で顔を覆う。


「……最悪」


那原さんの危険な笑み。

私、あの人と――

そこまで考えて、私は勢いよく布団から起き上がった。

「考えない!」


朝から一人で叫んでしまう。

私は洗面所へ向かい顔を洗った。

鏡に映った自分を見る。

目の下にクマがあった。

(ああ、私、この感覚、まだ覚えてる)

「好きになってる……」

思わず呟いた言葉にハッとした。


「キスされたくらいで、なんで私! だいたいいきなりキスするなんて犯罪でしょ! 私が警察に駆け込んだらどうするつもりだったの! あの人!」


ブツブツを独り言をつぶやきながら出勤の準備をする。


「那原さんとは、もう会わない。局でばったり会っても無視よ」


そうすればいい。

私は4年前にも同じように自分の感情に振り回されてしまった。

もう2度と、あんなことにはならない。

私はそう決めて家を出た。
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