切り裂きジャックの真の犯行

第四章 カモフラージュの夜






1888年秋

ジャックは路上で4人の無関係な女性を「同じ手口」で次々と殺害した

同時に、裏で繋がっていた新聞記者に偽の手紙を大量にばら撒かせ、
世間に「スラム街を徘徊する狂った快楽殺人鬼、ジャック・ザ・リッパー」
という虚像を作り上げさせた

世間と警察がその虚像に大騒ぎし、注目がピークに達した瞬間、警察の目は完全に曇った

すべては本命である5人目、メアリーを安全に仕留めるための、
壮大な『ABC殺人事件』スタイルの目くらましだった

11月9日深夜1時。凍りつくような寒さの個室で、メアリーは陽気に歌を歌っていた

「私が摘んだ美しいバラの、その一輪を、どうか残しておいて……」

それは、恋しい王子とこれから会う時間を指定された、待ち合わせの合図だった。

彼女は、部屋の前に佇む殺人鬼が、
大昔にもぎ取られた我が子だとは夢にも思わず、警戒もせずに笑顔でドアの鍵を開けた
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