幻の眷属
優しい鬼
こんな日が何日続いただろうか…。
白の部屋は日にちも時間もわからない…。
あれからしゅてんさんに抱かれては気を失い、ご飯を食べさせてもらい、お風呂に入れてもらい、また抱かれるという事を繰り返していた。
やはり景色が全く変わらないのは精神的にしんどくなり、私の心は荒んでいった。
元気が無くなった私をしゅてんさんは酷く心配した。
「小春、最近、元気が無いな…。俺はお前を抱き人形にした覚えは無い。何が望みだ?」
「しゅてんさんは…いつもこの何も無い所で過ごしているんですか?」
「そういう事か…そうだな…。確かにここは殺風景過ぎる…。すまなかった。すぐにここを出よう。」
私の頭にキスをしたしゅてんさんが、私を抱き上げ白い部屋を出た。
「酒呑童子様、いけません。まだその人間は鬼になっておりませぬ。」
「良い。このままだと小春の心が壊れる。俺の部屋に移動する。」
「しかし…。」
「早くしろ。」
「か、かしこまりました。」
青鬼がバタバタと走り去ると、しゅてんさんは長い廊下を私を抱えて歩き出した。
「あ、あの…歩けますので降ろして下さい。」
「ん?それは無理な願いだ。こうやって抱いていると、お前を近くに感じられる。俺がお前を感じたいんだ。」
唇を軽く合わせると、またしゅてんさんは歩き出した。
途中、色んな色の鬼がしゅてんさんを見て驚いていた。
長い廊下をしゅてんさんに抱かれながら進む。
あまりにも長く、1人ではきっと戻れない…。
そして、建物を出たかと思えば綺麗な和風な庭園が広がっていた。
「綺麗…。」
「ん?俺は見飽きているが、お前のそんな柔らかい表情を見れた。連れ出して良かった。」
おでこにキスをされて、しゅてんさんの頬を私の頭にスリスリと触れられた。
「俺の部屋からも色んな景色が見れる。」
「大きなお屋敷なんですね…。」
「ん?あぁ。一つの村みたいなものだからな…。」
「村?」
「あぁ。お前のいた場所とは少し違う。もうすぐで部屋に着く。」
少し行くと先ほどの青鬼が扉の前で正座をしていた。
「お父上に報告させていただきます。」
「好きにしろ。」
そう言われると、青い鬼は、立ち上がり、どこかへ行ってしまった。
私のせいで、しゅてんさんが、悪く言われてしまう?
その事を聞くと、しゅてんさんは目を丸くした。
「俺が無理矢理、連れて来たのに、お前は、俺の心配をしてくれるのか?お前が俺の眷属で良かった。」
そう言うと、しゅてんさんは私にキスをした。
部屋に入ると、先ほどの白の部屋とは変わり、落ち着いた和室があり、その襖を開けるともう一つ部屋があった。
「ここは春の間。」
「春の間?」
障子を開けると、春の陽気に桜の木や花々が咲いた庭が広がっていた。
「うわぁ。綺麗…。綺麗ですね。」
私が、しゅてんさんを見て微笑むと、しゅてんさんは嬉しそうに私にキスをした。
「ここで花見をしながら後で酒でも呑もうか?さぁ、次の部屋へ案内する。」
襖を開けてまた障子を開けると今度は夏の景色が広がった。
「緑が綺麗…。しかも、暑過ぎない…。」
昔の夏というのはこのくらいだったんだろうなというくらいの暑さだ。
「部屋の温度も違う?」
「あぁ。春は春の陽気、夏は夏の暑さを感じたくてな。ここには春夏秋冬の部屋がある。」
「へぇ。素敵…。」
「ここでは、花火を見ながら酒を呑もうか?」
「花火も見れるんですか?」
「あぁ。お前が最初、ここに来て見た花火は俺の能力で、ここの部屋のものをお前に見せたんだ。」
「そうだったんですか…。」
「次の部屋に案内する。」
「秋の部屋ですか?」
「あぁ。」
次の部屋に行くと、赤黄緑の紅葉や紅葉した木々の庭園があった。
「綺麗過ぎる。」
私が感動していると、ギュッと私を抱くしゅてんさんの腕の力が強くなった。
「ここでは紅葉を見ながら酒を呑もうか?」
「しゅてんさん、お酒ばっかりですね。」
私が笑うとしゅてんさんは嬉しそうに私にキスをする。
「俺は酒が好きだ。名前になるくらい。」
「名前?どんな漢字なんですか?」
「酒を呑むで酒呑童子。」
「酒を呑む…。それは、お酒が好きな訳だ。」
私が笑うと、また酒呑さんは嬉しそうに私にキスをした。
「次の部屋に行こう。」
最後の部屋は綺麗な銀の雪景色だった。
「綺麗だし、ちゃんと寒い。この雪は本物ですか?」
「あぁ。触ってみろ。」
木の枝に付いた雪を触ると本物の粉雪だった。
「本物だ…。」
「下界に下りて、俺の眷属を探していた時に見た景色が綺麗だった。いつかここで一緒に暮らす眷属にも、これを見せたかった。やっと見せれた…。そして気に入ってもらえたようで嬉しい…。」
そう言うと酒呑さんは私に深いキスをした。
その他にもトイレやお風呂もあった。
酒呑さん曰く、眷属の心地良い場所にしたいとの事だった。
「今日は春の間で過ごそうか。」
そう言われて春の間へ連れて行かれると桜の木の下で酒呑さんは、お酒を飲み始めた。
「お前も飲め。」
「この前みたいに身体が敏感になりませんか?」
「ん?あぁ。大丈夫だと思う…。」
「だと思うって!」
「ここの春の花で俺が作った酒だ。飲んで欲しい。」
色々な大きさの器が用意されたが、お猪口にしておいた。
口に含むと甘くて美味しい。
「美味しい!」
「そうだろう?甘いのと辛いのと両方作ったが、お前にはこちらが好みだったようだ。」
酒呑さんは私を抱き寄せ押し倒した。
桜の木を背に色気のある綺麗な酒呑さんにドキドキしてしまう。
白い部屋でもここでも酒呑さんは、私をとても大事に扱ってくれた。
私を無理矢理、抱く事も多いが、基本的には甘やかされている。
酒呑さんの顔が近づいて来た。
私は酒呑さんの口に手を置いて止めた。
「何故止める?早くお前の中に入りたい…。」
「こ、ここ外です。誰か来たら恥ずかしいです。」
「ここは俺の部屋で、私庭だ。誰も来ない。」
あっという間に服を脱がされて身体中を舐められる。
酒呑さんは、私の身体を舐めるのが好きなようで、頭の先から足の指の先まで毎回、時間をかけて、丁寧に舐められる。
そして何度も何度もイカさせるまで手で触れるため、酒呑さんが、優しく身体に触れるだけで、私の身体は感じるようになってしまった。
「桜の木の下でのお前は美しい…。お前の肌の色と相まって美しい桜が艶やかに見えてくる。こんな地面で辛くは無いか?」
「んっ。あっ。だ、大丈夫です。でも外、恥ずかしい…っ。」
「こんな、愛らしい姿を見れるなら、もっとしたくなる。」
その後も酒呑さんは、色々な体勢で繋がり私は意識を失った。
優しく頭を撫でられている感覚。
「お前は、本当の俺の姿を見たら…どうなるんだろうな…。」
酒呑さんの寂しそうな声が聞こえた気がした。
目が覚めるとその部屋にある露天風呂に案内された。
各部屋にもあるらしく春の花を浮かべて、春をイメージした酒を入れたお風呂だとの事だった。
とても気持ち良く肌もすべすべになる。
そこでも酒呑さんはお酒を飲み私にピッタリとくっついて離れない。
そのうちまた激しく抱かれた。
気がつくと春の間に戻って来て布団に寝かされて、酒呑さんのモノを受け入れていた。
「あっ、やっ、しゅ、酒呑さんっ。」
「目覚めたか?…っ。んっ。っく。お前が目覚めた時に驚かそうと花びらを布団に散らしたが…あまりにもお前が美しいので我慢出来なくなった。すまない…っ。イクッ!イクッ!」
最奥の子宮の中に直接注ぎ込まれる。
激しくキスをされるとまた酒呑さんのモノが硬くなってきているのがわかる。
身体を起こされ、下から突き上げられる。
「酒呑さんっ!あっ、あっ、あっ、あっ。」
「小春…っ。好き…っ。好き…っ。小春は?俺の事好き?」
「好き…っ。好きぃ。あっ、そこダメッ!」
激しく突かれながらキスを交わす。
最奥に熱いモノを出されると同時に絶頂を迎えた。
「好き。好き、小春。俺の事…受け入れて…っ。」
ギュッと抱きしめる腕に力を込めて、しがみつくように抱きしめられた。
私が腕を酒呑さんの背中に回し、唇を合わせるとだんだんと激しくなった。
そして、また体位を変えて気を失うまで抱かれた。
どの部屋でも同じように外で抱かれた。
花火を見ながら…。
紅葉を眺めながら…。
雪景色の部屋で後ろから抱かれるも足が凍傷になりかけ、それからは、繋がりながら抱き抱えられる。
足が付かないので酒呑さんに抱きつく形になるのが酒呑さんは嬉しいらしい。
私がギュッと抱きしめると酒呑さんのモノが大きくなり、私を上下させる動きも早くなる。
中に出されてグッタリすると、部屋に戻り布団の中で愛された。
酒呑さんは、私が嫌がる事は、ほとんどしない。
よくではあるが、気持ちが昂って離してもらえない時があるくらいだ。
愛の言葉も毎日囁かれ、ほぼ一日中離れず過ごしていた。
そんなある日、酒呑さんが私から離れた。
「酒呑さんどこに行くんですか?」
「たまに下界の社にイタズラをする人間が出るんだ。だから社に来た人間の監視をしに行く。」
「そうなんですか…。」
「あぁ。小春…。そんな寂しそうな顔をしないで。離れたくなくなる…。」
酒呑さんは、私にキスをして部屋を出た。