歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
ひとりになり、大きなため息が私の口から漏れる。
両肘をついて指を組み、額を当てて俯いた。

……あれは朝倉先輩が灯守先生ということでいいんでしょうか。

らしくなく動揺しているように見えた。
違うのならば理由がわからない。
しかももうひとつ、問題が持ち上がってしまった。
私は先輩の弱みを握ったと有利に立てるのか、それとも反対に脅されるのか判断がつかない。

「ううっ、今から胃が痛い」

自分から話を振っておきながら、仕事終わりが憂鬱になってきた。



仕事が終わり、私は朝倉先輩から近くの居酒屋に連行された。
ちなみに、朝倉先輩は絶対に予定外の残業をしない。
なので必死に時間内で仕事を終わらせましたとも!

居酒屋に入って注文するとき以外、朝倉先輩は口をきかない。
すぐに彼の前にはビールのジョッキが、私の前には烏龍茶のグラスが置かれた。
ジョッキを掴み、無言でごくごくと先輩が一気にビールを飲み干す。

「で?」

空になったジョッキをガン!とテーブルに叩きつけたかと思ったら、言葉短くひと言発し睨まれた。

「え、えーっと……」

無意識に正座して姿勢を正す。
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