歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
だらだらと汗を掻き、視線が泳いだ。

「俺が灯守かって確認したいんだろ?」

……この人はいったい、誰だ?

会社の……もっと言えばビールを飲み干す前の朝倉先輩とは違いすぎて、戸惑った。

「そのー、……もしかして、酔ってます?」

「酔ってない!」

思いっきり否定されたが、絶対に酔っていると思う。
だから飲み会、いつも不参加なんだ……。
意外な事実を知ってしまった。

「それで俺が灯守か灯守じゃないのかって、俺が灯守ですが?
あー、ハイハイ。
あれでしょ?
歩く冷凍庫がイラスト描いてるとか似合わないとか、実はオタクだったんだーって笑いたいんでしょ?」

ずいぶんとやくざれているが、今までそんなふうにバカにされた経験があるのだろうか。

「いえ。
私は灯守先生のファンなので」

「俺の……ファン?」

信じられないものでも見るかのように眼鏡の向こうで大きく目を見開いたあと、先輩はぱちぱちと何度か瞬きをした。

「はい。
先生が支部にイラストを投稿しはじめた五年前から追っています」

どうやったらわかってくれるだろうかと必死に考える。
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