歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
『やほ。
呼んだ?』

しかし私の願い虚しく、彼女はすぐにニャスコのサーバーに上がってきた。
ずっと私と先輩のふたりだけだったニャスコのサーバーに。
目の前が真っ白になり、なにも考えられなくなった。

『同人誌のデザイン、お願いできないかなって思って。
会社の後輩の手伝い、してるんだ』

「あっ、白石と申します。
このたびはよろしくお願いします」

いつまでも茫然自失としているわけにもいかず、慌てて挨拶をする。

『ふーん、会社の後輩、ねぇ』

安喜さんの声はにやにやと面白がっているようで不快だった。

『なあに、私という女がありながら、他の女にも手を出してるの?』

椅子が、ぐらぐらと頼りなく揺れる。
ああ、あれだな。
もうこの椅子もガタがきているから買い替えないと。

『そんな誤解を招くようなこと、言うな』

先輩は怒りながらもどこか楽しそうだ。

『白石さん、誤解しないでください。
この人はただの従姉なんです。
ただの従姉で僕に面倒な仕事を押しつけてくる人です』

『えー、面倒な仕事ってなによー。
このあいだ、そっちだって人に徹夜させたくせにー』

『あれは悪かったと思ってる』
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