歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
いつもいいねやブクマしていると言っても、灯守先生は四桁以上もらっているから個人は特定できないだろう。

「待って。
ちょっと待って」

先ほどまでの横柄な態度から一転、彼は右手で眼鏡が汚れるなどかまわず顔を覆い、左手を前に出して私を制してきた。

「五年前から、俺を追ってる?
それってほんとの初期からじゃん。
え、あんなへったくそな絵も見られたの?
待って。
やめて、恥ずかしすぎる」

朝倉先輩……いや、灯守先生は首まで真っ赤に染め、両手で顔を隠して俯いてしまった。

「……もしかして白雨(はくう)、さん?」

ちらりと指の隙間から、灯守先生が私をうかがう。

「えっ、はい!」

まさか推し絵師に観測されているなんて思わなくて、ぴくんと身体が跳ねた。

「覚えてる。
まだ過疎ってた時代から反応くれた」

「あっ、えっと、はい!」

烏龍茶しか飲んでいないはずなのに顔が熱くなっていった。

「まさか白石が白雨さんとはね。
……ん?
白石……白雨……」

先生は眼鏡を外してポケットから出した眼鏡拭きで拭きながらなにやら悩んでいる。

「はい。
〝白石〟で六月生まれなので白雨です」

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