歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
「なんと安直な……」

大きなため息が先生の口から落ちていった。

「まあ白石が白雨さんなら、俺のこと会社にバラしたりしないと思うけど」

眼鏡をかけ直した彼が真っ直ぐに視線をあわせるので、うんうんと何度も勢いよく頷いた。

「でもなんでわざわざ声かけてきたの?
白石もオタバレしたくないでしょ」

落ち着いたからか灯守先生はタブレット端末を操作して注文をしている。

「私に、イラストを教えてほしくて」

「は?」

一音発し、彼は注文ボタンを押しかけて止まった。

「あー、もしかして上手いヤツに習えばショートカットできるとか思ってる?
そういうのは……」

「違うくて。
私、どーしてもやりたい夢があって。
そのために自主練してるんですが最近、伸び悩んでるんです。
それでたまたま、ほんとにたまたま朝倉先輩が灯守先生と知って、あわよくばアドバイスとかもらえないかなー、と思った次第です」

「あー……」

長く発し、灯守先生は困ったように後ろ頭をがしがしと掻いている。

「ちなみにその夢って聞いてもいい?」

ゆっくりと彼の視線が、私へと戻ってくる。

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