歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
「明日の初授業はネコスタの設定からな」

「はい!」

とうとう彼は諦めたかのように大きなため息をついた。

今日も帰りは五千円札を握らされた。

「気持ちは嬉しいですが、灯守先生が破産しませんか?」

「今月は臨時収入があったから問題ない」

「臨時収入……?」

私の首が斜めに倒れる。
灯守先生は表紙依頼など受けていなかったはずだ。
てか、受けていたら真っ先に依頼する。

「まあ、その話は追い追いな」

苦笑いしながら彼はタクシーを捕まえ、私を押し込んだ。

「明日のことは後で連絡する」

「はい、よろしくお願いします」

ドアが閉まり、タクシーが走り出す。

「やっぱり今日も酔うと灯守先生だった」

思い出すとおかしくて、笑っていた。



翌日の土曜日、私はタブレットを前にしてそわそわしていた。

「お風呂入ったし、服もちゃんとしたのにしたし、大丈夫……な、ハズ」

あと三十分もすれば灯守先生のオンラインレッスンが始まる。
夕食は済ませておくように言われたが、緊張しすぎて喉を通らなかった。

「設定!設定は大丈夫だよね?」

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