歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
約束の時間に遅れるわけにはいかないので、今日はもう寝よう。
明日はさりげなく先輩が欲しいものをリサーチして、プレゼントしようと決めた。



日曜、待ち合わせ場所の駅前に立っていたのはスーツ姿の朝倉先輩だった。

「お疲れ様です」

「お疲れ様です……じゃなくてですね!」

あまりに普通に挨拶されたせいで、惰性で返していたが、すぐに我に返る。

「なんでスーツなんですか!?休みなのに!」

別に朝倉先輩の私服姿とか期待して……すみません、少し楽しみにしていました。

「なんでと言われましても。
一番、面倒臭くないので」

「面倒臭い……」

大きく手を広げて彼が眼鏡を上げ、なんとも言えない気持ちになった。

……私と出かける服を選ぶのは、面倒臭い案件ですか?

いや、きっと他意はないのだと思う。
本当に外に出る服を選ぶのが面倒臭かっただけだと推測できる。
わかっているのにちょっぴり傷ついている自分が理解できない。

「もう質問はないのでしたら、行きましょうか」

「はい」

先輩に促され、歩きだす。
ショーウィンドウに私たちの姿が映った。
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