歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
「顔に……出ている……」

思わず自分の顔に触れていた。
ポーカーフェイスが得意とはいわないが、全部顔に出ているなんて恥ずかしすぎる。

「……そういうところが羨ましいんですけどね」

「え?」

ぽそりとなにか呟いた気がして、朝倉先輩を見上げる。

「なんでもないです」

しかし目のあった先輩は顔を逸らしてしまった。

「とにかく」

気持ちを切り替えるように彼が軽く咳払いをする。
なぜか先輩の、眼鏡の弦のかかる耳の先は僅かに赤く染まっていた。

「絵を描くだけならその下位モデルより、今使ってるタブレットのほうが上です」

「そうなんですか?」

意外すぎて何度か大きく、瞬きをしていた。
専門の道具のほうがいいに決まっているとばかり思っていたのに。

「そうなんです。
まあ、レイヤーが何十枚とかになってきたら話が別ですが。
でも、現状なにか困っていることはありますか」

「……ないですね」

どうにかあると絞り出そうとしたが、なにも思いつかない。

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