歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
切り詰めて貯蓄をしてあり、そこからという可能性もある。
だとしても、私の経済状況からはこんなものをぽんと買うのは厳しい。

「給料は白石さんとさほど変わりませんよ。
ただ、たまに臨時収入があるので」

「その、臨時収入って?」

そういえば前もそんな話をしていた記憶がある。

「あー……」

長く発し、先輩は斜め上の天井を見つめていた。

「白石さんになら話してもいいかもしれませんね」

少しして、視線を戻した彼がうんとひとつ頷く。

「あとでお話しします。
実際、見たほうが早いでしょうし」

「あっ、はい。
わかりました」

ぺこんと頭を下げる。
先輩はすぐに、近くに来た店員にいろいろ尋ねはじめた。


「これって色域は……」

「そうですね……」

なにを言っているのか今の私にはちんぷんかんぷんだが、もっともらしく頷きながら先輩をちらり。

……さっきのって先輩の秘密を私に話してくれるってことですか?

そう気づくと朝倉先輩に信用された気がして、嬉しくなった。

「うん、大体わかりました。
では行きましょうか」

「えっ、今日は買わないんですか?」

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