歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
「……はい」

すっかり気落ちしながらふと思う。

「だったらNecBookを買うつもりで貯めたお金で、液タブを買えばいいのでは?」

ものすごくいい考えな気がして勢いよく顔を上げたけれど。

「だから。
そういうのは勢いじゃなくよく考えてから買いましょうね、白石さん」

私の肩を両手で掴んだ先輩の、眼鏡の奥の目はちっとも笑っていなかった。

売り場を離れる前に気になることがあり先輩に尋ねてみる。

「ちなみに灯守先生はどんなパソコン使ってるんですか」

「僕ですか?
僕はiNec(あいねっこ)です」

「iNec……」

結局、先輩もNecユーザーじゃないかとむっとしたが、これは一太郎を取ったせいでNecBookが買えなくなった私の逆恨みに過ぎない。

「ノートじゃなくてデスクトップなんですね」

気を取り直し、iNecの前に立つ。

「はい。
液タブを置かないといけませんから」

「あー……」

それは確かにそうだ。
ノートパソコンの前に液タブを置けば、机はかなり窮屈になるだろう。

「……私もデスクトップ買おうかな」

「だから。
そういうことは……」

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