歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
にかっと笑った先生の顔はほのかに赤い。
おかげで私の頬まで熱くなった。
「いいよ来週、うちにおいで。
俺の作業環境、見せてやる」
「ほんとですか!?」
真面目な朝倉先輩なら絶対に断ると思っていたので、食い気味にテーブルに手を突いて身を乗り出していた。
「ああ、いいよ」
「やったー!」
喜ぶ私を灯守先生は苦笑い気味に見ている。
「いいけど、男の家に行くとは〝そういうこと〟に同意したと勘違いする男もいるから、安易に言わないこと。
いいですね、白石さん?」
灯守先生から朝倉先輩に戻り、険しい顔で注意してくる。
「はい、気をつけます」
私も真面目な顔で頷く。
そうやって心配してくれるところ、本当に朝倉先輩のいいところで、ちょっと好きだったりする。
本人に自覚があるのかわからないが。
昼食のあとは電車に乗って移動だった。
「どこ、行くんですか」
「んー、いいとこ」
私を空いていた席に座らせ、つり革を持って前に立った先生がにやっと右の口端をつり上げる。
その悪戯っぽい笑顔に絶えられなくて俯いた。
……さっき、灯守先生は男の人だって自覚したからかな。