歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
フランクな灯守先生のほうが話しやすいとは思うが、こういうところは真顔な朝倉先輩のほうがいい。

連れてこられたのはビルの屋上にある水族館だった。

「大人一枚」

「あっ、私も」

私が戸惑っているあいだに先生はチケットカウンターでチケットを買っている。
慌ててなんの支払いが使えるか確かめつつ携帯を準備しようとしたら、止められた。

「俺、ここの年パス持ってるの。
割り引きが使えるから、ほら」

「だったらお金」

差し出されたチケットを受け取りつつ財布を取り出そうとする。

「いい。
俺の用事で連れてきたからな」

私が取り出しかけた財布をしまわせ、軽く背中を押して彼は入場口へと促した。

「こういうの、よくないと思うんですけど」

中へと歩きながら不満げに唇を尖らせる。

「どこが?
俺の都合でお前に予定外の出費をさせるわけにはいかないだろ。
それに臨時収入があるから心配するな」

「高い液タブ買うのも迷ってるのに?」

「うっ」

私の指摘でぎくりと先生の足が止まった。

「それはそれ、これはこれだろ」

小さく咳払いし、気を取り直して彼が歩きだす。

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