歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
「え、ただの宣伝ポスターだぞ?」

「ただの、じゃないです!」

「お、おう」

私に迫られ、止めるように両手を前に出し先生は仰け反り気味になった。

「灯守先生の絵が、あーんなに大きく印刷されたポスターですよ?
しかも企業のああいうポスターってそこそこお金をかけていい印刷してることが多いですし。
絶対、欲しいに決まってます」

「そうなんだ」

「そうなんです」

うんうんと私が頷くと、先生はなぜか軽く握った手を口もとに当てておかしそうにくつくつ笑いだした。

「なにがおかしいんですか?」

笑われるのが心外で、彼を睨む。

「いや?
白石って俺の熱心なファンなんだなって思って」

笑いすぎて出た涙を彼は、眼鏡を浮かせて人差し指の背で拭った。

「依頼を持ってきた知り合いに、ポスターもらえないか聞いてやる。
使用済みのより未使用のほうがいいだろ」

「ほんとですか!?」

「ああ。
だから水族館のスタッフに突撃とかするなよ」

私を宥めるように軽く頭をぽんぽんし、彼が先に進む。
なんとなく、彼の手が触れた頭にそっと、触れていた。

その後もせっかく来たのだしと見てまわる。

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