歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
「ペンギンです!」

「そうだな」

屋外のコーナーにはたくさんのペンギンがいた。

「ペンギンって可愛いですよね。
よちよち歩くところとか」

「確かにな」

ふたりで手すりに寄りかかり、ペンギンを眺める。
ぽてぽてよちよち歩いているのを見ていたら今、キャラデザで苦労しているキャラクターがぼんやりと重なってきた。
不器用でいつも四苦八苦しながらも一生懸命な彼は、ちょっとペンギンっぽい。

「あー、なんか思いついたかも」

「なにが?」

口をついて出た独り言に灯守先生が尋ねてくる。

「行き詰まってるアクスタのキャラデザ、思いついたかもです」

「そりゃよかった」

軽く答えながら先生の目はペンギンに向いていた。

「灯守先生の言うとおり、インプットと気分転換、大事ですね」

「白石の役に立てたのならよかった」

こちらを向いた先生が、ふにゃんと締まらない顔で笑う。
その瞬間――心臓がとくんと甘く、鼓動した……気がした。

「そろそろ行くか」

「ああ、はい」

一緒に館内へと戻りながら、とくとくと速い心臓の鼓動が落ち着かない。
顔が熱くて彼に気づかれないかと心配になる。
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