歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
「え、いいんですか!?」

憧れの灯守先生の作業環境さえ見せてもらえれば満足だったのだ。
まさか、触らせてくれるとは思わない。

「はい、どうぞ」

促すように彼が椅子を引くので座らせてもらう。

「灯守先生。
椅子から座り心地が違うんですが」

なんというか体を包み込む感じというか座っていて楽というか。
私の安い椅子とは全然違う。

「長時間の座り作業になりますからね。
椅子をケチってはいけません」

「ふぉえー。
と、いうことは私も椅子を変えれば腰痛から解放される……?」

集中して長時間、小説を書いていると立ち上がったときに腰がバキバキになるのがずっと悩みだった。
もしかしてあれは椅子が悪いのか?

「全部とは言いませんが、解消される可能性はあります」

「灯守先生はどこのメーカーの椅子を使ってるんですか!」

「白石さん」

携帯を取りだし、検索をはじめようとした私の手を先輩が掴む。

「いきなり高い投資はやめましょう。
相性もありますし、高い椅子が正解というわけでもありません。
僕も一代前の椅子はお手頃の値段のものでしたが、座り心地はよかったです。
壊れたので買い替えましたが」

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