歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
先輩と私は路線が違うので最寄り駅も違うのだ。

家に帰り、ごはんを食べて手早く日々のことを済ませてしまう。
約束の八時少し前にパソコンの前に座った。

【お疲れ様です。
よろしいでしょうか】

メッセージを送るとすぐに既読になり、返信が来る。

【ニャスコでお待ちしてます】

すぐに私もニャスコに入ると、朝倉先輩が待っていた。

「お疲れ様です」

『お疲れ様です。
それで改まって相談とはどうしました?』

「それは……」

せっかく先輩が聞いてくれるというのに、ここまで来て躊躇した。
こんなことを相談されても先輩は困るだけかもしれない。
やはりやめておいたほうが。
しかし、このままひとりで悶々と悩んでいても解決しそうにはない。

私が黙っていても先輩は辛抱強く待ってくれている。
こういうところは本当にいい人で、だから先輩が好きなんだと思う。

「……その」

しばらく悩んだ末、覚悟を決めてそろりと口を開いた。

『はい』

「小説のネタが、出てこなくて」

私は有料早割入稿しているので、入稿デッドラインまでもうひと月を切っている。
けれど肝心の小説は三文字しか書けていなかった。

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