歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
決めたのはよかったが、もう才能が尽きたのではないかというくらい、話が思いつかない。

『では今回のアクスタ、蒼未さんがなにをしている場面を思い浮かべでデザインしましたか』

「なにをしているところ……」

蒼未ならこんな顔でこういう服を着ているとしか考えなかった。
……違う。
いつもは存在感の薄い彼に脚光を浴びせたくて、一番格好いい場面を想像した。
戦闘シーンはさすがに動きが無理だったので、戦に出る直前にした。

「……戦に出かけるところですね」

『だったらその、戦をメインに書いたらいかがですか』

「戦を……メイン……」

『櫻の戦国』は大正時代風のファンタジーで、仮想日本が四つの国に別れて争っている話だ。
主人公はその中でも一番小さい国で軍のトップを担っており、弟である蒼未は彼を支えている。

「兄がいないときに隣国との小競り合いが起きて……蒼未が尽力するもどんどん大きくなっていき、戦に……不利になってやはり兄でなければと言われるも、蒼未が知力を尽くして勝利する……」

先輩の助言のおかげで急に頭の中の霧が晴れた。
私が書きたいのは、格好いい蒼未だ。

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