歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
『少しは僕を頼ってください』

困ったように先輩が僅かに笑う。
滅多に拝めない、素のときの先輩の笑顔。
ばくんと心臓が大きくバウンドし、思わず傍に置いてあったタブレットで顔を隠していた。

『どうかしたんですか』

尋ねられても先輩の笑顔が眩しすぎてなんて答えられない。
さらにそれプラス、「頼ってください」なんて私の中の全乙女が叫び出しそうで、抑えるのに必死だ。

「あの、その、……なんでもない、です。
というか先輩に頼っていいんですか」

置いてあった冷たいお茶で、必死に気持ちを落ち着ける。

『もちろんです。
幸い、今は企業案件が入っていません。
誤字脱字、誤用のチェックくらいなら僕ができます。
作品に対するアドバイスは素人目線になるのでしませんが。
表紙も僕に考えがあるので、任せてください』

「でもまだ背幅、決まってないんですよ?」

いつもそのせいでギリギリまで外注できず、素材を選んでタイトルを、ツールを使って入れるだけで印刷用データを出してくれる、ありがたいサイトを使っていた。

『多少ずれても問題ないデザインにすればいいだけです』

「そ、そうなんだ」

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