歩く冷蔵庫先輩が推し絵師でした~秘密のレッスンはじめます~
「品証部ではまだ許可を出してないですが」

「だって間に合わなくなるし。
聞いてない?
ライバル企業が似寄りの商品出してくるから発表が二週間、前倒しになるの」

「聞いてますが……」

聞いているがこんなものを出したらそれこそ、パクりだなんだと大炎上だ。

「……ん?」

怒鳴りたくなるところを先輩の冷凍庫顔を思い出して平静を保ってポスターを見ていたら、違和感を覚えた。

「これってもしかして、AIで作ってません?」

「よくわかったね!
いやー、AIって便利だよねー」

「はあああぁぁぁぁぁぁーっ」

遠慮なく、私の口から大きなため息が落ちていく。
フォントが、微妙におかしい。
モノと滴が混ざっているところがある。
なにより全体的にのっぺりとしている。

「朝倉せんぱーい!」

私が席から声をかけると、先輩が顔を上げた。

「これ、ちょっと見てください」

「どうしました?」

すぐに立ち上がり、私のところまで来た先輩は無言でポスターを見つめている。

「もう発注しちゃったそうなんですが」

「え、オレなんか、悪いことした?」

< 97 / 113 >

この作品をシェア

pagetop