触れられなくても、君がいい。 ――青い二人の、遠距離ロマンス。
 ◇

 二時間ほど揺られ、まもなく待ち合わせをしている駅に到着する。

 二人の住む街のちょうど中間に位置する、ここも海のある場所。
 新幹線を使えば、東京から一時間ほどで着くらしいけれど、校則でアルバイトが禁止されている私は、お小遣いの範囲内で交通費を捻出しなくてはならない。
 そのため鈍行列車を乗り継いでいくと、倍の二時間以上を要する。

 先に到着する彼に、先ほどメッセージで乗っている車両の番号を伝えておいた。
 だからその位置で、いつものように待ってくれているはずだ。

 目的の駅名が車内にアナウンスされると、たまらず席を立った。
 ドアのガラスに額がつくほど近づき、流れる景色を眺める。

 建物の隙間から、朝陽を反射する海が見えた。

 やがて、ゆっくりと減速していく車両とは反対に、私の心臓は急速にスピードを上げていく。

 そして――ホームに立つ、愛しいその姿を捉えた。
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