触れられなくても、君がいい。 ――青い二人の、遠距離ロマンス。
◇
「海ーっ!」
ビーチに着くなり、私は繋いでいた手を一度離して砂浜へ駆け出した。
航の住む街でその美しさを知るまで、特別好きというわけではなかった、海。
今では、何より私を癒やしてくれるものとなっている。
水質は、ここよりさらに南下した航の地元のほうが、やっぱり綺麗だけれど。
絶え間ない波の音と、風が運ぶ潮の香りに、心がすっと満たされていく。
靴が濡れないくらいの距離まで波打ち際に近寄り、のんびりと散歩を始めた。
海のそばで暮らしていると日常の風景だからか、やはり航は落ち着いている。
「ねえねえ。そういえば、中間テストが全部返ってきたんだけどね……」
並んで歩きながら、学校の話を始める。
毎日メッセージのやり取りはしているし、時間が合えば電話もする。
時折、手紙だって書いている。
けれど、やっぱり本人を目の前にすると、聞いてほしいこと、笑ってほしいことが、次から次へと溢れ出してしまうのだ。
だが、彼の反応は薄い。
振り返ると、こちらをじっと見てはいるものの、上の空なのは明らかだった。
「海ーっ!」
ビーチに着くなり、私は繋いでいた手を一度離して砂浜へ駆け出した。
航の住む街でその美しさを知るまで、特別好きというわけではなかった、海。
今では、何より私を癒やしてくれるものとなっている。
水質は、ここよりさらに南下した航の地元のほうが、やっぱり綺麗だけれど。
絶え間ない波の音と、風が運ぶ潮の香りに、心がすっと満たされていく。
靴が濡れないくらいの距離まで波打ち際に近寄り、のんびりと散歩を始めた。
海のそばで暮らしていると日常の風景だからか、やはり航は落ち着いている。
「ねえねえ。そういえば、中間テストが全部返ってきたんだけどね……」
並んで歩きながら、学校の話を始める。
毎日メッセージのやり取りはしているし、時間が合えば電話もする。
時折、手紙だって書いている。
けれど、やっぱり本人を目の前にすると、聞いてほしいこと、笑ってほしいことが、次から次へと溢れ出してしまうのだ。
だが、彼の反応は薄い。
振り返ると、こちらをじっと見てはいるものの、上の空なのは明らかだった。