触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。
 ◇

 宿泊する部屋に着くや否や、両親に声をかける。

「……ちょっと、航のところ行ってくるね」

 荷解きをしていた母が、顔を上げた。

「いいけど、海に行くんだから早めに戻ってきなさいよ?」

 今回も二泊三日の滞在だが、明日はあいにく天気が荒れる予報だ。
 そのため、今日のうちに少しでも海で遊んでおく手はずになっている。

「はーい……」

 ぼんやりと返事をして、部屋を後にした。

 宿泊棟の外で電話をかけると、航はすぐに出た。
 言われた通り、隣接する彼の家の前で待つ。
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