触れられなくても、君がいい。 ――青くて甘い二人の遠距離ロマンス。
「痛っ!」
身をすくめて振り向くと――涼しい顔で見下ろしてくる小宮山がいた。
「……あのさ。そろそろその呼び方、やめてくれないかな」
「まあ、いーじゃん。今さら」
小学校から一緒の彼。
高校も同じ志望校に合格し、今年はとうとうクラスまで同じだ。
去年は別のクラスで、廊下ですれ違っても目を逸らされていた。
だからなんとなく、こちらからも話しかけないようにしていたのに。
二年生になると、なぜか昔のようにずけずけと距離を詰めてくるようになった。
「保健委員のプリント。俺こっち書くから、お前こっち書いて」
じゃんけんで負けて、共に押し付けられた委員の書類が、無造作に放り投げられる。
「……わかった」
密かに溜息をつき、おとなしくペンを走らせ始めた。